相談机の前で繰り広げられた「夫の書斎 vs 妻のパントリー」頂上決戦の結末
2026/09/22
ブログ記事

こんにちは。茨城の家づくり相談所 ハウスコネクションズの上野です。
住宅相談カウンターに座っていると、日々さまざまなドラマが繰り広げられます。 予算の話、土地の話、ハウスメーカー選びの話……。
しかし、打ち合わせが中盤に差し掛かった頃、ほぼ確実に発生する「相談所あるある」があります。
それが、夫婦による「間取りの領土争い」です。
先週も、まさにその“頂上決戦”が私の目の前で勃発しました。 名付けて、「夫の書斎(2畳) vs 妻のウォークインパントリー(2畳)」戦争です。
「その2畳、本当にいる?」から始まった冷戦
ご相談に来られたのは、30代前半の仲睦まじいご夫婦。 希望エリアの土地価格と建物予算から逆算すると、延床面積は「30坪」が現実的な上限でした。
LDKを広めに確保し、将来の子ども部屋を2つ、主寝室、水回り……とパズルをはめ込んでいくと、どうしてもあと「2畳」足りない。
設計プランの図面を前に、沈黙が流れました。
先に口火を切ったのは奥様でした。
妻「ねえ、やっぱり書斎、削らない? リモートワークって言っても週2回だし、ダイニングテーブルで十分じゃない?」
夫「いやいや待ってくれ。仕事のWeb会議もあるし、集中できる空間は絶対に欲しい。男のロマンとしても、自分の城は譲れないよ」
妻「男のロマンで坪単価いくら上がると思ってるの? パントリーがあればキッチンが劇的に片付くし、日用品やストックの管理で毎日の家事ストレスが激減するんだよ?」
夫「でも、パントリーなんて普通の食器棚と収納でどうにかなるじゃないか……」
ピリッ……と凍りつく相談ブース。 「家づくりを機に夫婦喧嘩が増える」と言いますが、まさにこの瞬間です。
お互いに相手の希望を「無駄遣い」だと思い始め、険悪なムードが漂い始めました。
プロがやるべきは「どっちが正しいか」の審判ではない
こういう時、私たち相談員がやってはいけないのが「どちらかの肩を持つこと」です。
「ご主人、奥様の言う通り家事動線は大事ですよ」なんて言えば夫側の味方がいなくなりますし、「仕事も大事ですからね」と言えば妻側から冷たい視線を浴びます。
そもそも、この争いの本質は「2畳の奪い合い」ではありません。
お互いが求めている「感情の奥にある本当のニーズ」が言語化されていないことが原因なのです。
そこで私は、図面を一度伏せて、お二人にこう尋ねました。
質問ひとつで「譲れない価値観」を解きほぐす
私「ご主人、書斎でやりたいことって、具体的には何時間くらい、どんなことですか?」
夫「ええと……仕事の電話やWeb会議が1日に2〜3回。あとは、夜に一人で本を読んだり、趣味のガジェットをいじったりして、少しだけ頭をリセットする時間が欲しいんです」
なるほど。ご主人が欲しかったのは「2畳の密閉された個室」そのものではなく、「家族の気配を感じつつも、邪魔されずに一息つけるパーソナルスペース」でした。
続いて、奥様にも伺いました。
私「奥様、パントリーに一番収納したいものは何ですか? どんな状態が理想ですか?」
妻「週末のまとめ買いのストックと、ホットプレートやホームベーカリーなどの調理家電です。LDKから生活感を消して、いつでも人を呼べる綺麗なリビングにしたいんです」
奥様が欲しかったのも「人が歩いて入れる2畳のウォークイン空間」ではなく、「生活感のある家電とストックが視界に入らない仕組み」でした。
求めている本質が分かれば、解決策は「どちらかを0にする」以外にいくらでもあります。
私が提案した「第3の着地点」
そこで、以下のプランをスケッチしてご提案しました。
1. 奥様のパントリー: 人が入る通路スペース(約0.75畳分)をカットし、キッチンの背面に「引き戸で隠せる奥行き45cmの壁面大容量パントリー(約1.25畳)」を配置。収納力は落とさず、生活感は扉1枚で完全に隠せる設計に。
2. ご主人の書斎: 寝室の一角に、あえて壁で囲みすぎない「1畳のワークヌック(籠もり感のあるデスクスペース)」を新設。背面にロールスクリーンを設けることで、Web会議時の背景スッキリ&視線カットを実現。
結果として、「合計2.25畳」で、お二人の希望が100%叶う形に着地しました。 坪数をオーバーすることなく、予算もジャスト。
図面を見たお二人は顔を見合わせ、さっきの険悪さが嘘のように「……これ、めちゃくちゃ良くない!?」と笑顔になりました。
まとめ:家づくりは「家族の価値観のすり合わせ」
家づくりで意見がぶつかった時、相手の希望を「ワガママ」と捉えてしまうと、プランニングは一気に苦しいものになってしまいます。
◎ 夫はなぜそれを欲しがっているのか?
◎ 妻は何にストレスを感じているのか?
相手が求めている「感情の理由」に耳を傾けると、必ず両方が納得できる「第3の答え」が見つかります。
……とはいえ、当事者同士だとどうしても感情的になってしまうのが家づくりの難しさです(笑)。
「夫婦で意見が割れて間取りが決まらない」
「予算と希望のバランスが取れずに喧嘩ばかりしている」
そんな時は、どうぞ遠慮なく私たちの相談カウンターを「夫婦の安全な仲裁場所」として使ってください。電卓と間取り図を持って、中立な立場で最高の着地点を一緒に探します!
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株式会社Auks / ハウスコネクションズ
代表取締役
上野 翔平
住宅相談カウンターに座っていると、日々さまざまなドラマが繰り広げられます。 予算の話、土地の話、ハウスメーカー選びの話……。
しかし、打ち合わせが中盤に差し掛かった頃、ほぼ確実に発生する「相談所あるある」があります。
それが、夫婦による「間取りの領土争い」です。
先週も、まさにその“頂上決戦”が私の目の前で勃発しました。 名付けて、「夫の書斎(2畳) vs 妻のウォークインパントリー(2畳)」戦争です。
「その2畳、本当にいる?」から始まった冷戦
ご相談に来られたのは、30代前半の仲睦まじいご夫婦。 希望エリアの土地価格と建物予算から逆算すると、延床面積は「30坪」が現実的な上限でした。
LDKを広めに確保し、将来の子ども部屋を2つ、主寝室、水回り……とパズルをはめ込んでいくと、どうしてもあと「2畳」足りない。
設計プランの図面を前に、沈黙が流れました。
先に口火を切ったのは奥様でした。
妻「ねえ、やっぱり書斎、削らない? リモートワークって言っても週2回だし、ダイニングテーブルで十分じゃない?」
夫「いやいや待ってくれ。仕事のWeb会議もあるし、集中できる空間は絶対に欲しい。男のロマンとしても、自分の城は譲れないよ」
妻「男のロマンで坪単価いくら上がると思ってるの? パントリーがあればキッチンが劇的に片付くし、日用品やストックの管理で毎日の家事ストレスが激減するんだよ?」
夫「でも、パントリーなんて普通の食器棚と収納でどうにかなるじゃないか……」
ピリッ……と凍りつく相談ブース。 「家づくりを機に夫婦喧嘩が増える」と言いますが、まさにこの瞬間です。
お互いに相手の希望を「無駄遣い」だと思い始め、険悪なムードが漂い始めました。
プロがやるべきは「どっちが正しいか」の審判ではない
こういう時、私たち相談員がやってはいけないのが「どちらかの肩を持つこと」です。
「ご主人、奥様の言う通り家事動線は大事ですよ」なんて言えば夫側の味方がいなくなりますし、「仕事も大事ですからね」と言えば妻側から冷たい視線を浴びます。
そもそも、この争いの本質は「2畳の奪い合い」ではありません。
お互いが求めている「感情の奥にある本当のニーズ」が言語化されていないことが原因なのです。
そこで私は、図面を一度伏せて、お二人にこう尋ねました。
質問ひとつで「譲れない価値観」を解きほぐす
私「ご主人、書斎でやりたいことって、具体的には何時間くらい、どんなことですか?」
夫「ええと……仕事の電話やWeb会議が1日に2〜3回。あとは、夜に一人で本を読んだり、趣味のガジェットをいじったりして、少しだけ頭をリセットする時間が欲しいんです」
なるほど。ご主人が欲しかったのは「2畳の密閉された個室」そのものではなく、「家族の気配を感じつつも、邪魔されずに一息つけるパーソナルスペース」でした。
続いて、奥様にも伺いました。
私「奥様、パントリーに一番収納したいものは何ですか? どんな状態が理想ですか?」
妻「週末のまとめ買いのストックと、ホットプレートやホームベーカリーなどの調理家電です。LDKから生活感を消して、いつでも人を呼べる綺麗なリビングにしたいんです」
奥様が欲しかったのも「人が歩いて入れる2畳のウォークイン空間」ではなく、「生活感のある家電とストックが視界に入らない仕組み」でした。
求めている本質が分かれば、解決策は「どちらかを0にする」以外にいくらでもあります。
私が提案した「第3の着地点」
そこで、以下のプランをスケッチしてご提案しました。
1. 奥様のパントリー: 人が入る通路スペース(約0.75畳分)をカットし、キッチンの背面に「引き戸で隠せる奥行き45cmの壁面大容量パントリー(約1.25畳)」を配置。収納力は落とさず、生活感は扉1枚で完全に隠せる設計に。
2. ご主人の書斎: 寝室の一角に、あえて壁で囲みすぎない「1畳のワークヌック(籠もり感のあるデスクスペース)」を新設。背面にロールスクリーンを設けることで、Web会議時の背景スッキリ&視線カットを実現。
結果として、「合計2.25畳」で、お二人の希望が100%叶う形に着地しました。 坪数をオーバーすることなく、予算もジャスト。
図面を見たお二人は顔を見合わせ、さっきの険悪さが嘘のように「……これ、めちゃくちゃ良くない!?」と笑顔になりました。
まとめ:家づくりは「家族の価値観のすり合わせ」
家づくりで意見がぶつかった時、相手の希望を「ワガママ」と捉えてしまうと、プランニングは一気に苦しいものになってしまいます。
◎ 夫はなぜそれを欲しがっているのか?
◎ 妻は何にストレスを感じているのか?
相手が求めている「感情の理由」に耳を傾けると、必ず両方が納得できる「第3の答え」が見つかります。
……とはいえ、当事者同士だとどうしても感情的になってしまうのが家づくりの難しさです(笑)。
「夫婦で意見が割れて間取りが決まらない」
「予算と希望のバランスが取れずに喧嘩ばかりしている」
そんな時は、どうぞ遠慮なく私たちの相談カウンターを「夫婦の安全な仲裁場所」として使ってください。電卓と間取り図を持って、中立な立場で最高の着地点を一緒に探します!
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株式会社Auks / ハウスコネクションズ
代表取締役
上野 翔平
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